【ECOPIA EX20 試乗会】低燃費+ウェット性能だけでない車種別設計を実現したアルティメットアイ技術

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ECOPIA EX20
  • ECOPIA EX20
  • ブリジストン PSタイヤ開発第1部長 渡辺信幸氏
  • EX20シリーズの開発コンセプト
  • 接地面の形状を山形にすることで排水性をアップ
  • 新開発のコンパウンドにより路面に密着し、水の侵入を防ぐ
  • ナノプロ・テック技術によりシリカを増量
  • シミュレーションと計測技術により設計のバリエーションと精度を上げる
  • 測定器ではタイヤと路面のさまざまな要素を計測

ブリジストンが3月から発売した新型低燃費タイヤ『ECOPIA EX20』シリーズは、従来品と同等以上の環境性能を維持しながら、ウェット特性をさらに強化している。EX20は、ラベリングでAA/a、A/a、A/bという高い燃費性能(低転がり抵抗)を保ちながらウェット性能もaランク(18サイズ)を実現している。しかも、多様化するカーライフスタイルに対応するため、セダン、ミニバン、軽自動車と車種別に個別の味付けをしたシリーズ構成となっているのも特徴だ。

これを実現したのは、コンパウンドや添加物に関するナノプロ・テック技術と、シミュレーションと高精度計測システムによるアルティメットアイという設計技術だ。試乗会に先立つプレゼンテーションでは、商品概要のあと、EX20を支える製品技術の説明が行われた。どのような技術や工夫が施されているのだろうか。

EX20の技術説明は、ブリジストン PSタイヤ開発第1部長 渡辺信幸氏が行った。ウェット性能は、まずタイヤの接地面の形状を山形にすることで排水性を高めたという。さらに、接地面を広く、接地圧を均一にする。このとき路面との摩擦を高めるためシリカを増量し、ウェット性能ポリマーとを均一に配合することで、ウェットでも理想的な接地と摩擦を生み出すという。ライフに影響する偏摩耗に対しては、コーナリングや低速旋廻時に、エッジ部だけでなくタイヤ面全体に圧がかかるように水平接地形状に改良を加えている。

タイヤの形状やブロックパターンの設計には、シミュレーション技術が使われている。シミュレーションによって作られた試作品を、高精度な圧力センサーを装着したタイヤ踏面挙動計測機に可視化技術を組み合わせて、効果や特性を詳しく検証する。これをシミュレーションにフィードバックすることで、高度な設計を可能にするのがアルティメットアイだ。車種別の味付けを細かくできるのもこの技術の賜物といえよう。

ウェット性能向上のため、シリカを増量したと述べたが、単にシリカを増やしても配合が均一にならなければゴムとしての特性が悪くなる。シリカとポリマーの適正な配合を可能にするのがナノプロ・テックである。

《中尾真二》

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