2014年のJAIA試乗会にも用意されたポルシェ『パナメーラ』は、初期型導入から5年が経とうとする今も、依然、独創的な存在感は変わらないままだ。
どうみてもポルシェ。メルセデス・ベンツやアストンマーティンに決して類似しないスタイルはこのクルマの強みだ。ポルシェはどのモデルも、そこに停まっているだけでオーラを発するが、パナメーラでそれをやられると、ボディサイズ、(ポルシェとしては)4ドアであることの特異性が際立つ。
4名分のシートが用意された室内も、ありふれたサルーンとはひと味もふた味も違う居心地。立ったステアリングはポルシェらしいし、意外にも膝を曲げたキチンとした着座姿勢の後席も、十分な空間がある。
走りも非常にジェントルだ。試乗車はもっともベーシックな3.6リットルのV6(310ps/400Nm)+7速PDKを搭載。オプションの「アダプティブエアサスペンション」も装着していた。試乗車の車検証記載の車重は1820kg(前/後=930/890kg)ながら、ポルシェらしいクールで力強いパワーフィールはもとより、100km/h前後を境に、格段になめらかなフラットライドを味わわせてくれる点も印象的だ。
クッキリとした実態のあるアナログメーター、上質でカッチリとしたインテリアのフィニッシュなども、ポルシェに乗っている実感をひしひしと伝えてくれる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。