『カマロ』というと、V8エンジンをドロドロといわせ、フードのバルジを運転席と逆位相(!)で揺らしながら走る……そんな往年のイメージをお持ちの方が未だ多いのではないだろうか? レポーターも気持ちのどこかにそんな郷愁がまだある。
が、最新モデルは実にクールなのだった。その要因はエンジンで、試乗車は3.6リットルのV6エンジンを搭載。327ps/38.4kgmのスペックを持つこのユニットは、まるで欧州スポーツカーのそれのようにメカニカルなサウンドを発しながらクルマを加速させる。直噴、可変バルブタイミングシステムなどを採用。トルコン式の6速ATとの組み合わせ。振る舞いは非常にスマートだが、とはいえ力強い加速感は、あくまで心に響くアメリカンロックそのもの。気分を開放してくれる。
褒め言葉としてカッチリとし過ぎないコンバーチブルのドライブは爽快だ。とはいえ気持ちを逆撫でせずに確かな手応えを伝えるステアリングフィール、しっかりとした効きのブレーキなど安心感はもちろん高い。
シフトレバー前方にアナログ4連メーターが並ぶインパネは、全体がナセル(ひさし)で覆われる古典的なデザイン。約20秒で格納するソフトトップは、ホックなどは用いずフチを手で押し込む方式のシンプルなカバーを被せて使う。
往年のイメージを再現したスタイルは、最新モデルでは前後のデザインなどを改め、現代的なエッセンスが付与された。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。