いすゞ自動車の片山正則取締役専務執行役員は2月7日に都内で開いた決算会見で、主力市場タイの政情不安の影響で商用車の需要が急激に落ち込んでいることから、2014年3月期の収益が従来予想を下回る可能性があるとの見通しを示した。
いすゞが同日発表した14年3月期第3四半期連結営業利益は前年同期比47%増の1329億円だった。会見で片山専務は「一部の市場で厳しい環境があったが、収益的には過去最高となった昨年度の年間収益を9か月間で更新することができた。第3四半期が終わった時点ではほぼ順調に推移してきたとみている」と評価した。
一方、「タイに関しては昨年度の反動減に政治的な要因が加わったので、さらに下がってくると想定せざるを得ない。とくに商用車がここにきて急激な需要減となっており、第4四半期での生産調整が少し大きくなると考えている」と説明。
その上で「リスクの先送りはしたくないので、最大限調整した場合には対事業計画という意味においてカバー仕切れない部分が出てくる可能性がある」と述べた。いすゞは14年3月期連結営業利益で前期38%増の1800億円を見込んでいる。