2014年1月31日、NASAは月の大気とちりを調べる探査機、『LADEE(ラディー)』のミッション期間を28日間延長すると発表した。ミッション終了後、LADEEは4月21日ごろ月面に衝突する。
LADEEは2013年9月に打ち上げられ、11月から月の地表のごく薄い大気とちりを探査していた。月の地表から高度12~60キロメートルの低軌道を周回するLADEEの運用が予定よりもうまくいったため、推進剤にはまだ余裕が残っている。当初は約100日間としていた運用期間の延長が決まったものだ。
LADEEの初期ミッションでは、月の大気の組成、ちりの分析が行われている。月の大気には、ヘリウム、ネオン、アルゴン40などの希ガスが含まれているという。LADEEのデータをもとに、アポロ計画時代に宇宙飛行士が月の地平線で日の出の前に見た輝きの正体が、太陽光で帯電したちりであるのか解明が期待されているという。また、月への宇宙塵の衝突の観測も行っており、地球でふたご座流星群が見られた時期には、月でも同様に流星雨がみられ、月表面への衝突を記録している。
LADEEのプロジェクトサイエンティスト、NASAエイムズリサーチセンターのリック・エルフィック研究員は「追加のミッション機関では、これまでよりさらに低い、月の地表から数キロメートルを飛ぶ計画を立てています」としている。ミッション終了後、LADEEは4月21日ごろに月面に衝突する最後の軌道に入る。