札幌市交通局、税率変更に伴う運賃改定は10月に

鉄道 行政
札幌市ウェブサイトの市営交通に関する案内。システムの改修に時間がかかることから税率引き上げに伴う運賃改定は10月に実施する。
  • 札幌市ウェブサイトの市営交通に関する案内。システムの改修に時間がかかることから税率引き上げに伴う運賃改定は10月に実施する。
  • 札幌市電の普通運賃(170円)は現行のまま据え置く。

札幌市交通局は1月22日、消費税率の引き上げ(4月1日)に伴う運賃改定の概要を発表した。実際の改定日は税率引き上げから半年後の10月1日になる予定。

普通運賃は原則として現行運賃の税抜額を算出し、100分の108を乗じた額を四捨五入により端数処理し、10円単位の運賃とする。ICカードによる1円単位運賃は「(ICカードの)普及率等を勘案し、現時点では導入の予定はありません」としている。

この計算式を全面的に採用すると税率引き上げ分の範囲を超えるため、市営地下鉄は初乗り運賃に相当する1区(大人200円、端数処理前の改定額は206.3円)について端数を切り捨て、現在と同じ200円に据え置くことで調整する。市電(大人170円)も端数処理前の金額が174.96円となるため、四捨五入で現行運賃のままになる。市営地下鉄の2~6区の運賃は、大人の場合で各区10円の値上げになる。

定期運賃は市営地下鉄・市電ともに、現行運賃に105分の108を乗じた額を四捨五入により端数処理し、10円単位の運賃にする。フリー切符なども定期運賃と同様に処理するが、「ドニチカキップ」「地下鉄専用1dayカード」は全体の改定率を税率引き上げ分に近接させるため、端数の切り上げによって調整する。「共通1dayカード」は共同で発行しているバス事業者の改定内容を勘案して運賃を据え置く。

運賃改定が税率引き上げの半年後となることについて、交通局は「バスとの乗継割引を含め料金制度が複雑化しており、システム改修に時間を要するため」としている。東京都交通局もほぼ同じ理由で運賃改定を一部遅らせる方針を固めており、都営バスと都電荒川線は4月1日、都営地下鉄と日暮里・舎人ライナーは6月1日に運賃を改定する予定となっている。

札幌市は今後、市議会に運賃改定の条例改正案を提出し、議会の承認を受けた上で国土交通大臣に運賃改定の申請を行う方針だ。

《草町義和》

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