人材開発省は2年後をめどに、給与明細書の発行を雇用者に義務付ける方針で、指針を1月13日、発表した。少なくとも月1回、月末から1週間以内の発行を求める。
発行義務付け案に対しては、家族経営の商店や露天商には発行は困難との意見が寄せられていた。政府は各事業者が自社に合った給与明細書を開発できるよう、冊子やダウンロードして利用できるテンプレートを用意し、資金面でも支援する。
人材開発省は、労組翼賛組織の全国労働組合会議(NTUC)、シンガポール経営者連盟(SNEF)と共同で指針をまとめた。
NTUCのチャム書記長補佐は「労働に対しいくら支払われたかが明確になる。労組として指針を歓迎する」と表明。低賃金の移民労働者を支援する団体TWC2のアオ副会長は「もっと早く施行すべきだった」と語った。
指針によれば、給与明細書に記載が求められるのは、◇基本給◇残業時間・残業代◇賞与額◇通勤手当などの手当◇中央積立基金(CPF)拠出額など天引き額――の項目。明細はデジタル発行も可能。
中小企業協会(ASME)の調査によれば、多くの中小企業が給与通知書を既に発行しているが、項目別に詳細を明示している例はほとんどない。