日本郵船が運航する液化天然ガス運搬船で、同社では初となるフィリピン人の船長1人と機関長1人が誕生した。
2人は2013年7月に同社グループの船舶管理会社エヌワイケイ・シップマネジメントで船長、機関長に登用され、同年12月から実職務に就いた。
日本郵船は、他の船会社に先駆けてフィリピンに商船大学を設立したほか、船員向けのトレーニング施設やマンニング施設の増強、マニラでの船舶管理会社事務所の開設などを進め、最大の船員供給国であるフィリピンで幹部船員育成に注力してきた。
同社が運航するLNG船を始めとするハイリスク船の船長や機関長職は、これまで日本人、東欧人、インド人が務めていた。船員に対し国籍を問わず統一要件を設定した独自のプログラム「NYKマリタイムカレッジ」を通じて人材育成を行ってきた同社グループでは、フィリピン人にもハイリスク船幹部登用への道を開いてきた。
今回の2人の誕生は、これまでの取り組みの具体的成果としている。同社では今後も、統一要件をクリアした優秀なフィリピン人船員を、ハイリスク船幹部として順次輩出していく計画だ。
また、同社では今後、増加が予想されるLNG輸送需要の高まりに備え、質の高い船員の育成に努めることで、安定したエネルギー輸送に貢献していく方針だ。