日立、欧州列車制御システムの車上信号装置を製品化…日本企業で初

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日立が開発したETCS車上信号装置を搭載して試験走行を行ったクラス97機関車の97301号。約半年に渡る試験で他社製の地上信号システムとの互換性が確認された。
  • 日立が開発したETCS車上信号装置を搭載して試験走行を行ったクラス97機関車の97301号。約半年に渡る試験で他社製の地上信号システムとの互換性が確認された。
  • 日立が製品化したETCS準拠の車上信号装置。英国高速鉄道にも導入される予定だ。
日立製作所は12月26日、欧州の鉄道における相互乗入要求(TSI)の認証を取得し、欧州列車制御システム(ETCS)に準拠した車上信号装置を製品化したと発表した。日系企業がTSI認証を取得したのは初めて。

陸続きの欧州では複数の国をまたぐ都市間国際列車が運転されているが、列車制御のシステムは各国ごとに異なるため、国境駅で機関車を付け替えたり、複数の信号システムを搭載した車両を使う必要があり、高速化の障壁になっている。こうしたことから欧州では、列車制御システムの統一規格としてETCSが制定された。

現在は欧州以外でもETCSベースの列車制御システムの導入が進んでおり、日立も2008年、中国の広州~深セン間を結ぶ高速鉄道向けにETCSベースの中国列車制御システム(CTCS)を納入している。

日立が今回製品化したETCS車上信号装置は、地上の装置から無線によって伝送された信号に基づき、ブレーキの自動制御を行うもの。安全計算機や無線通信装置などで構成されており、編成の先頭車両に設置される。

日立の英国子会社・日立レールヨーロッパは英国ネットワーク・レールの協力により、クラス97機関車1両(97301号)にETCS車上信号装置を搭載して試験走行を実施。約半年に渡る試験の結果、ETCSに準拠した他社製の地上信号システムとの互換性があることを確認した。

ETCS製品は欧州各国で相互に利用されるため、TSIに適合した証明を各国指定の公的認証機関から取得する必要がある。同社によると、安全度水準の国際規格(SIL)において最高レベルのSIL4への適合をはじめ、公的認証機関での厳格な審査を経てETCS車上信号装置のTSI認証を取得したという。

車上信号装置は日立が納入する英国高速鉄道(IEP)向けの車両に搭載される予定。同社は「今後、欧州をはじめとしてアジアを含めた世界の鉄道信号市場への事業展開を一層強化し、グローバルで鉄道システム事業の拡大を図っていきます」としている。
《草町義和》

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