日本郵船は、重油と液化天然ガス(LNG)の両方を燃料として使用できるデュアル・フューエルエンジンを搭載したLNG燃料タグボートの建造を決定した。LNG運搬船を除いて、LNGを燃料とする船舶の建造は、外航船・内航船を通じて日本初となる。
日本郵船は、太陽光発電システムや空気潤滑システムなど、環境対応技術の実用化を通して船舶の環境負荷低減に取り組んできた。燃料でも、2011年に燃料グループ内に専任チームを設置し、重油に代わる次世代燃料の研究に取り組む中で、硫黄酸化物の排出がなく、重油に比べて二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOX)の排出量が少ないLNGに着目、LNG燃料船の実用化を検討してきた。
今回、日本海事協会などの支援、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の調査成果を踏まえ、LNG燃料船の建造に着手することにした。
LNGを燃料に使用する船舶は、従来の重油使用時と比較してCO2排出量を約30%、NOX排出量を約80%、SOX排出量を100%削減できる見通し。
船舶へのLNGは、東京ガスから供給を受けるほか、東京ガスの支援をもとに船舶への安全なLNG供給体制を整えていく。