JR東日本は12月20日、常磐緩行線綾瀬~取手間に導入を検討している無線列車制御システム(CBTC)の設計作業を委託するメーカーに、フランスのタレス(Thales)を内定したと発表した。
タレスはCBTCに関する世界的な大手メーカーで、同社の都市鉄道用システム「SelTrac」は各国の地下鉄やモノレール、新交通システムで使用されている。
JR東日本は2012年6月に同社ホームページ上で常磐緩行線へのCBTC導入に関心のある会社を募り、国内外10社の提案を比較検討した上で今年2月、フランスの大手メーカー・アルストムとタレスの2社に絞り込んだと発表。2社のうちから1社を選定する作業を進めていた。
JR東日本は発表で、選定の基準を「機能の実現性、安全性と稼働率、メンテナンス体制、価格などを総合的に比較して判定」したとしている。
今後、同社はタレスと設計契約締結交渉を行い、合意できれば正式決定の上、CBTC導入の設計作業を委託する予定。設計作業の結果、同社が求める機能が実現できると判断されれば、製造工事を委託する予定としている。
CBTCは「Communication Based Train Control」の頭文字。近年、世界各国の都市鉄道で採用が進んでおり、すでに100線区近くで導入されているものの、国内では今のところ導入例はない。