車両出火事故の影響で列車の減便が続いているJR北海道は11月20日、札幌~函館間の特急『北斗』を年末年始期間中に1往復増やすと発表した。その一方で増発しても輸送力の不足が避けられないことから、同社は競合する都市間バスの利用も呼びかけている。
札幌~函館間は現在、定期・臨時列車あわせて最大9往復の『北斗』を運転しているが、年末年始の12月28日~2014年1月5日は臨時『北斗95・86号』を追加運転し、10往復体制にする。運行時刻は95号=函館15時38分発~札幌20時36分着、86号=札幌8時34分発~函館12時52分着。車両はリゾート車両のキハ183系5100番台「クリスタルエクスプレス トマム・サホロ」4両編成を使用する。
年末年始期間中に混雑が予想される列車は、札幌~函館間が12月28日~30日の上り札幌発函館行き『北斗94・96号』、2014年1月3~5日の上り札幌発函館行き『北斗94・96号』と下り函館発札幌行き『北斗85・87・91・95号』。JR北海道は利用日の変更のほか、札幌~東室蘭・室蘭間では特急『すずらん』の利用も検討してほしいとしている。12月28日から2014年1月10日までの期間中、『すずらん』の自由席が利用できる「すずらん限定自由席往復割引きっぷ」を設定し、『すずらん』の利用を促す。
札幌~帯広・釧路間は12月28日から1月5日まで特急『スーパーおおぞら』の混雑が予想されており、札幌~帯広間では特急『スーパーとかち』の利用も検討してほしいとしている。また、札幌~稚内間は12月29・30日と2014年1月3・4日が特に混雑すると見られ、利用日時の変更の検討を呼びかけている。
また、JR北海道は競合する都市間バスの利用もあわせて検討してほしいとしており、鉄道との比較対象として札幌~函館間の「高速はこだて号」「函館特急ニュースター号」、札幌~帯広間の「ポテトライナー」、札幌~稚内間の「はまなす号」「わっかない号」を挙げている。
JR北海道は7月6日に発生した特急『北斗14号』の出火事故を受けて同型車両の運用を中止しており、営業運転に使用できる車両が不足している。このため一部の特急列車が運休となり、11月1日から正式に減便ダイヤに移行した。