神戸製鋼、高耐食鋼「KPAC-1」が新来島どっくグループが建造するタンカーに採用

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神戸製鋼所は、原油タンカーのタンクに対する防食新ルールに対応した高耐食鋼「KPAC-1」が、新来島どっくグループで建造しているタンカーの底板に採用されたと発表した。

新ルール適用船への耐食鋼の採用は業界では初めて。

「KPAC-1」は、添加元素を工夫して化学成分を調整することにより、従来鋼と比較して4倍程度の耐食性能を持つ鋼板。原油タンカーは、国際ルールにより、カーゴオイルタンク(タンカーで原油を直接入れる部分)に対する防食ルールが2013年1月1日以降、建造する契約船に適用されている。この新ルールでは、腐食が原因となる原油流出を防ぎ海洋汚染を阻止するため制定されたもの。

原油タンカーのタンク底面は、原油に含まれる塩分が沈殿することにより腐食が進行しやすい。以前は、タンクの腐食対策についての規定は無かったが、最近は大規模な油流出事故が続けて発生したことにより腐食対策強化への動きが活発化し、2010年にSOLAS条約(海上における人命の安全のための国際条約)で2013年1月1日以降に建造契約が結ばれた載貨重量5000トン以上の原油タンカーのタンクに、塗装またはルールに適合した耐食鋼による防食措置が義務付けられた。

神戸製鋼が開発した耐食鋼「KPAC-1」は、50年以上に渡る耐食鋼の基礎研究で蓄積した知見を活かし、タンカー底部での腐食環境にマッチした成分設計の鋼材。具体的には、添加元素の工夫をして化学成分を調整することにより、タンカー底部で想定される強酸性環境下でも、高い耐食性能を保有しつつ、船体構造用として求められる母材特性や溶接施工性、溶接継手特性についても通常鋼材と同等以上の優れた性能を有している鋼材になる。

「KPAC-1」は、2013年4月に日本海事協会船級(NK船級)から新ルールに適合した耐食鋼としての承認を取得し、他船級についても承認取得を進めている。また、新ルールでは、鋼材に加えて、溶接継手の耐食性能についても承認が必要となるが、神戸製鋼は溶接部門があるため、密接に連携して技術対応や溶接材料の承認取得も進めている。
《レスポンス編集部》

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