セコムグループのパスコとトヨタ自動車グループの朝日航洋は、高速道路の三次元計測で業務提携し、国内の「高速道路三次元アーカイブデータ」を11月7日から販売を開始すると発表した。
高度成長期に集中的に整備された社会資本の老朽化が顕著になり、事後保全による対応では安全性を保つことが困難な状況になってきた。これに伴って、ライフサイクルコストを考慮した維持管理の重要性が注目されている。
パスコと朝日航洋は、こうした社会的な課題に対し、両社が保有する空間情報の収集能力と加工・処理・分析する技術を活用、共同で高速道路の空間情報を収集し、これをアーカイブ化して販売する。
高速道路の三次元点群情報と全周囲画像を約9190kmにわたってデータ化した。データは車載型三次元計測装置を搭載したMMS(モービル・マッピング・システム)の専用計測車両で高速道路を通常走行して収集した。
データ取得では、パスコから9台、朝日航洋から3台の専用車両を投入し、昨年から計測してきた。
GPS、IMU(ジャイロ)と、オドメトリ(距離計)により計測された車両位置データに基づいて、画像とレーザー点群の高精度な位置情報を取得した。正常な衛星波受信状態による相対精度で平面位置精度プラス・マイナス5mm、高さ精度プラス・マイナス5mm、絶対精度では平面位置精度10cm、高さ精度15cmと高精度な三次元情報となっている。
この三次元位置を表すレーザー点群情報に画像から抽出した実際の色情報を付加することで、仮想空間上の表現力が一層高まる。