SUPER GT最終戦(第8戦)の公式予選が、11月2日、栃木県のツインリンクもてぎで実施され、GT500クラスではレクサスの大嶋和也&国本雄資が今季初のポールポジションを獲得している。
GT500は8つの陣営にドライバーズチャンピオン獲得の可能性が残る混戦状況で、全車ノーウエイトハンデとなるシリーズ最終戦を迎えた。ただ、可能性は8組に残されているとはいえ、勝てば他車の順位に関係なく自力で王座をつかめるのは2組だけ。それはポイントリーダーの#38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路&平手晃平/ブリヂストン)と、4点差で追う#36 PETRONAS TOM’S SC430(中嶋一貴&ジェームス・ロシター/ブリヂストン)、この2台のレクサス勢なのだが、曇り気味のドライコンディション下で行なわれた2段階方式のノックアウト予選、そのQ1で両者が明暗を分けた。
14位までが0.858秒差という厳しい接戦となったなか、#36 TOM’Sが13位に終わってしまったのだ。一方の#38 CERUMOは上位8台に入ってQ2進出、この時点で自力王座獲得権を有する2台のSC430に大きな差がつく。
これで#38 CERUMOが3戦連続となるポールをゲットすれば一気に王手という雰囲気にもなったのだが、そこはやはり一筋縄ではいかないSUPER GT。注目のQ2、#38 CERUMOは4位に留まり、決定打を放つには至らなかった。そして他力本願ながらタイトル獲得の可能性を残す2台が、#38 CERUMOの前に出た。ホンダの#17 KEIHIN HSV-010(塚越広大&金石年弘/ブリヂストン)が2位、ニッサンの#23 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝&ロニー・クインタレッリ/ミシュラン)が3位と、逆転王座に望みをつないでいる。いずれにしても#38 CERUMOの順位次第という側面はあるが、決勝での王座を巡る攻防は面白くなりそうだ。
そんなチャンピオン候補たちを向こうに回し、最終戦で今季初ポールを獲得したのが#6 ENEOS SUSTINA SC430(ブリヂストン)の大嶋&国本。「朝の練習走行からマシンの調子が良かった」と両者が口を揃える好仕上がりで、「自分の仕事はしっかりできました」という国本がQ1を突破し、続くQ2では大嶋が「自分の予想(手応え)よりコンマ5秒くらい速いタイムでビックリした」という1分41秒367の好タイムでポール獲得を果たした。
残念ながら大嶋&国本にチャンピオン獲得の可能性はないが、「今年一年苦労してきただけに、この結果は嬉しい。明日、勝って終わりたいです」(大嶋)と、今季初勝利に意欲を燃やす。大嶋26歳、国本23歳という若いコンビの充実ぶりが、チャンピオン争いにも大きな影響を及ぼしそうな気配になってきた。
明日(3日)の決勝レースは、今季シリーズ戦最短の250km(53周)。もてぎのロードコースという抜けないコースが舞台だけに、予選がいつも以上に重要な意味を有していたともいえるわけだが、とにかく泣いても笑ってもこれで終わりのファイナルバトルだ。チャンピオンの栄冠に輝くのはどの陣営か? 午後1時30分に最後の戦いの火蓋が切って落とされる。