与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)の党内3部会の役員選挙が11日に実施され、13日までに最終結果が発表された。
選挙前の予想通り、青年部長選はカイリー・ジャマルディン氏(青年スポーツ相)、婦人部はシャリザ・アブドル・ジャリル氏(前女性家族共同体開発相)が圧倒的多数で再選を果たした。プテリ部(青年女子部)長選は、新人のマス・エルミエヤティ・サムスディン氏が当選した。
中道左派とされるカイリー氏はアブドラ・バダウィ前首相の娘婿であり、軽挙妄動の気があることもあって党内右派のマハティール・モハマド元首相から何かにつけて反対されてきた。一方、中道右派のシャリザ氏は肉牛肥育公社の乱脈経営への関与疑惑がくすぶり続けている。
UMNO消息筋は党内で右派への回帰よりナジブ・ラザク氏(UMNO総裁、首相)路線の維持を求める声が強かったためと指摘している。また中道左派と中道右派により、左右のバランスを求める党内の意向を反映したものとの見方もある。
一方、野党などからは、相変わらずUMNOの汚職肯定の体質を示したものとの冷ややかな指摘の声があるほか、そういう問題ある人物を選ばざるを得ないところにUMNOの中堅政治家のタレント不足との指摘の声が上がっている。非マレー側からは、中道寄りだといっても両者共に時と場合によって民族カードや宗教カードを使ってきた前歴があるとして、警戒の声がきかれる。