スマートモビリティアジア13では、次世代オートアフタービジネス研究会の設立が発表された。同会設立記念としてNTTドコモ M2Mビジネス部の土橋寿昇氏が講演を行った。
土橋氏は、「スマートフォンユーザーの数は今年、フィーチャーフォンユーザーとほぼ同数になりました。ドコモの売り上げ内容の構成比率も変化しています」と現状を紹介。続いてドコモドライブネットの取り組みを解説した。
ドライブネットの音声認識、国内最高峰のさらに先を目指す
ドコモドライブネットでは、音声検索「しゃべってコンシェル」の技術を応用し、音声意図解釈機能を2012年12月から提供、運転手のスマホ操作が音声で可能になり、安全支援につなげている。土橋氏は「この機能を拡張していきたい」とさらなるサービス向上を模索している。サービス拡張の方向性として、例えばクルマの調子が悪いことをスマホに話しかけると、近辺の整備工場を案内するなど、相談・提案型のサービスを検討しているという。
また、スマホとの対話は現状1往復であるが、複数回の往復、会話が可能になるような技術の高度化を目指している。
ドライブネット進化の先は、クルマに人口知能を搭載した状態であり、イメージとしてはナイトライダーだという。「単に“何をしてほしい”ということではなく“クルマに相談ができる世界”を実現したい」(土橋氏)とした。
パイオニアとの提携で実現すること
ドコモとパイオニアの提携により実現するのは、従来のパイオニア「スマートループサーバ」のみの情報利用から、ドコモのデバイスで収集した情報を「ビッグデータ格納サーバ」に納め、「スマートループサーバ」+「ビッグデータ格納サーバ」によるデータ拡充だ。結果としてユーザーはより精度の高い情報を活用できる。
こうしたパイオニア連携のビッグデータを含め、「しゃべってコンシェルサーバ」などを含めたデータ格納を「ドコモITSクラウド」として運用していく。
土橋氏は、注目する外部状況としてiOS in the CarやナビゲーションSNSのWaze、走行実績監視型の自動車保険を展開するSnapshotなどを挙げた。自動車保険テレマティクスに関しては、OBD利用の後付けアクセサリーに可能性があるとみている。
ドコモとオートアフターサービスの未来
同社はドライブネットの延長として、ビッグデータの活用と業種の枠を超えた連携を描く。
車両情報収集端末により、音声や位置といったデータをサーバに吸い上げ、ビッグデータとして確保。整備事業者や用品販売事業者、保険事業者と、データの共有を図る一方で、情報収集端末やサーバ運用コストも分散するというスキームの構築を検討しているという。
ドコモのビッグデータを中心に自動車アフター事業者が連携していく未来は遠くないかもしれない。
《スマートモビリティアジア:水素モビリティイベントのお知らせ》
スマートモビリティアジア2013@福岡(10/10~10/12)
水素モビリティ講演会 10月12日(土)
場所:九州大学伊都キャンパス
1)燃料電池自動車同乗試乗体験:10:00-13:00
本田技研工業:FCXクラリティ
トヨタ自動車:トヨタFCHV-adv
日産自動車:05FCV
2)燃料電池講演会:「燃料電池が切り開く新しい未来」:14:25-16:05
講演1:
九州大学 次世代燃料電池産学連携研究センター
主幹教授 センター長 佐々木 一成 氏
講演2:
トヨタ自動車株式会社 製品企画部
製品企画主査 田中 義和氏
講演3:
株式会社本田技術研究所
四輪R&Dセンター第5技術開発室
上席研究員 守谷 隆史 氏
講演4:
日産自動車株式会社
企画・先行技術開発本部 FCEV開発推進室
室長 坂 幸真 氏
パネルディスカッション:16:20-17:00
パネラー:上記の各講師
モデレーター:レスポンス編集長 三浦 和也