6日、大分県のオートポリスで開催されたSUPER GT第7戦は、残り2周半でトップに立った中嶋一貴&ジェームス・ロシター組レクサスSC430が優勝。同組は第2戦以来のGT500クラス2勝目を飾った。
前日の悪天候により決勝日朝に延期された予選でポールを獲得したのは、#38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路&平手晃平)だった。今回はウエイトハンデがドライバーズポイント×1kg(前戦までは×2kg)で、15点差にひしめく上位11台は大きなハンデ差がない状況での臨戦だったわけだが、#38 SC430は決勝で独走を演じる。レースを完全支配しての2連勝達成かと思われた。しかし終盤にペースが落ち、#36 PETRONAS TOM’S SC430(一貴&ロシター)と#17 KEIHIN HSV-010(塚越広大&金石年弘)が急接近を果たす。そして残り2周半のところで一貴が立川をパスしてトップ逆転、#36 SC430が勝利をつかみ獲ったのである(#38に何か明確なトラブルがあったかは不明)。
小雨が降る局面もあるなど、天候が安定しないなかでの戦いを制した一貴は、「今までやってきたなかで一番嬉しいかもしれません。前半、ジェームスが追い上げてくれたし、最後は(#38のペースが落ち)運も向いてくれました」と、場内放送兼TV中継用マイクに向けて喜びの大きさを話した。「朝の予選ではマシンの状態がいいとは言えなかったわけだが、そこからチームが素晴らしい仕事をしてくれた」(ロシター談)。まさにチーム一丸となっての巻き返しによる、予選10位からの大逆転優勝だった。
2位は#38 SC430で、レクサスが1-2フィニッシュ。3位には#17 HSVが入り、ブリヂストン勢が表彰台を独占した。ミシュラン勢最上位は4位の#1 REITO MOLA GT-R(本山哲&関口雄飛)で、GT-R勢最上位ということにもなっている。
そして注目のGT500ドライバーズチャンピオン争いは、最終戦を前に8組まで可能性が絞られた(前戦終了時点で数字的には14組に、現実的には11組に可能性が残されていた)。
■GT500ドライバーズポイント上位
58点 #38 立川祐路&平手晃平(レクサス/BS)
54点 #36 中嶋一貴&ロシター(レクサス/BS)
52点 #18 山本尚貴&マコヴィッキィ(ホンダ/MI)
52点 #17 塚越広大&金石年弘(ホンダ/BS)
47点 #23 柳田真孝&クインタレッリ(ニッサン/MI)
46点 #12 松田次生&オリベイラ(ニッサン/BS)
42点 #37 伊藤大輔&カルダレッリ(レクサス/BS)
41点 #39 脇阪寿一&石浦宏明(レクサス/BS)
※BS=ブリヂストン、MI=ミシュラン
優勝20点、2位15点なので、自力戴冠の可能性を有するのは#38と#36、2台のレクサスだけ。実質的な争いは52点のホンダ勢2組までの上位4組と考えるべきかもしれず、そうなるとニッサン勢の3連覇は黄信号だ。いずれにしてもレクサス勢が主導権を握ったことは間違いないだろう。
GT500出走の15組全車がノーハンデとなって迎える最終戦は、11月2~3日にツインリンクもてぎで開催される。現行規定車最後の王座の行方が、この一戦で決まる。