トヨタ自動車が9月9日に発売した新型『クラウン マジェスタ』は3世代ぶりにクラウンの王冠エンブレムが復活した。製品企画を担当した岩月健一主幹は「今回はトップオブクラウンという初代の誕生時に戻って改めて新しいスタートを切ろうと考えた」と明かす。
岩月氏は「マジェスタの歴史を振り返ると、3代目までは王冠をつけてトップオブクラウンとして進んだが、4代目の時にレクサス店の日本導入を控え、トップオブトヨタという位置づけに変えてエンブレムもトヨタマークにした。それが5代目にも継承されたが、トップオブトヨタといいながらも車名はクラウン マジェスタで、クラウン マジェスタを名乗っていてもクラウンのロゴが先代ではライセンスガーニッシュに小さく入っているだけと、位置づけがものすごく曖昧になってしまった」と振り返る。
さらに「先代マジェスタが受け入れられて街中にマジェスタだらけということであればキープコンセプトというのは正直あったと思うが、やはりそうではなかった。価格レンジも異様に広く、本当にこの車が狙うところはなんだろうと我々も曖昧だと思っていたのと同時に、お客様も良くわからない車だと思われていたはず。やはりあまり選択して頂けないということになってしまった」とも。
このため「マジェスタのモデルチェンジではあるが、やはりクラウンファミリーだという立ち位置を明確にすることが非常に大事だということは最初から考えてやった。とにかく今回はわかりやすくした」と語る。
トップオブクラウンとしての特徴について岩月氏は「3.5リットルV6のハイブリッドはクラウンファミリーのロイヤルもアスリートも持っていない。まずユニットはものすごいパワーがあり、全く違う。ボディも違っていてリアのキャビンを75mm延長したロングボディ。さらにフロントフェイスの差別化、リアの内装を充実することで後席のおもてなし感を向上させたことがトップオブクラウンたるところ」と解説した。