マレーシア半島東海岸の経済開発地域「東部回廊経済圏」(ECER)の5周年記念夕食会に出席したナジブ・ラザク首相は、ECERが2020年までの投資誘致目標1,100億リンギを達成できるとの見通しを明らかにした。
ナジブ首相は、ECERの対象地域であるクランタンやトレンガヌ、パハン、ジョホール州メルシンの住民は恩恵を受けることになると指摘。過去5年間で500億リンギの投資が誘致され、4万人分の雇用が創出されたと明らかにした。ECERではカネカ・グループや韓CJ、仏アルケマ、BASFペトロナス、フォルクスワーゲンなどの企業が投資を行なっている。
クアンタンでは、海の玄関口となるクアンタン港の拡張が計画されている。410万リンギをかけて20万トン規模の大型船の寄港を可能にするもので、2015年の完成を目指している。年間取扱量が2倍の5,200万トンになると見込まれている。
マレーシア・中国クアンタン工業団地(MCKIP)の開発も進められている。MCKIPは広西チワン族自治区の省都・南寧近郊にある中国・マレーシア政府連携の欽州工業団地の姉妹団地となる見込み。
連邦政府は高速道路や鉄道の整備などインフラ面で協力する方針だ。
ECER計画ではビジネス面の投資だけでなく、オラン・アスリ(先住民族)をはじめとした地域住民の生活水準の向上プログラム「エンパワーECER」も推進されている。