ACT近くで「村里風景が損なわれる」
最近は都会の住宅街でも閑静な小商店と喫茶店などが並ぶ一角が「ビレッジ雰囲気」としてもてはやされるようになっている。もちろん映画撮影所のスタジオセットのような錯覚に他ならないのだが。農村部でも風力発電の高い塔が立ち並ぶ風景を環境にそぐわないとして反対する人が多い。今度はキャンベラ西方の農牧地域で太陽光発電所の計画に「ビレッジ風景が損なわれる」と住民が憤激の声を挙げている。
計画はキャンベラ西方、ブリンダベラ国立公園山麓のウリアラ村南部に10メガワットの太陽光発電所を建設するというもので、ブリンダベラ・ロードに沿った小さな一角には農業ではなく、キャンベラに勤める人々の住宅街がある。憤激しているのはその住宅街の人々で、住民の一人は、「住民に何の相談もなかった。ソーラー・パネルはブリンダベラ・ロードを挟んだすぐ向こうに計画されており、民家に近すぎる。村はずれに住宅が並んでいる。反対側の40ヘクタールに26,000基の太陽光電池パネルを並べ、10メガワットを発電すると計画されている。私たちの気持ちは突然の話に驚きと怒り、それに失望がないまぜになっている。住民の多くが村の持つ田舎のライフスタイルが損なわれると懸念している。昨夜も70人ほどの住民が住民集会を開いた。住民の一人が、『ここにソーラー・ファームができると知っていたら、ここに家を買う気になったか?』と質問した。一人残らず、『いいや、そんなことはしない』と答えた。この村について書かれた資料はどれも田舎風景、田舎のライフスタイルが強調されているのに」と語っている。
ウリアラ・ビレッジは、2003年の森林大火で住宅の4分の3が焼け落ち、その後再建された。(NP)