住友精密、ANAホールディングスから航空機降着装置の整備・修理事業を買収

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住友精密工業は、ANAホールディングスの100%子会社であるANAコンポーネントテクニクス(CTC)の航空機降着装置の整備・修理事業(MRO事業)を買収するとともに、全日本空輸(ANA)との間で、株式取得に伴う業務提携を結ぶことで合意した。

住友精密は従来、防衛省航空機向けと民間航空機向けに、CRJ700/900/1000やMRJ、
ホンダJet などの降着装置を開発・製造・供給している。MRO事業では、防衛省航空機のほとんどの降着装置について受注しているものの、民間航空機向けでの実績はわずかで、この分野での事業拡大を模索していた。

ANAホールディングスとANAは、CTC長崎北工場(長崎県諫早市)で実施している降着装置の整備事業について、現在の品質や整備工期を維持しながら、生産の効率化を検討しており、住友精密に事業を売却することで、これを実現する。

具体的には、来年4月の予定で、住友精密がANAホールディングスからCTCの長崎北工場での整備事業を譲り受け、新会社化する。新会社はANAの降着装置MRO事業を継承するとともに、住友精密から防衛省向け降着装置のMRO事業の一部の委託を受けることで、住友精密の製造ノウハウと、ANAの持つ整備や運航に関するノウハウを集約、日本で唯一となる官民対応降着装置MRO事業者として高い国際競争力を持つ事業の展開を目指す。

ANAは、現在三菱航空機が開発中の国産旅客機MRJのローンチカスタマーで、住友精密はMRJ用降着装置の開発・製造会社となっている。MRJ運航開始とともに、必要となる降着装置の整備拠点確立という位置付けでも両社のニーズは一致するとしている。

住友精密では、将来的に、日本を始めアジア地域のエアラインが保有する機体の降着装置へ展開することも視野に入れて事業を拡大していく。

《レスポンス編集部》

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