【再生可能エネルギー世界展示会】日本の地理を活かす、海中エネルギーの最大活用がカギ

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第8回再生可能エネルギー世界展示会
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PHVやEVを普及させていくためには「電力をどう作るか」も、大きな問題だ。

いかにシェールガスが安く手に入ろうとも、これ以上火力発電所を増やす訳にはいくまい。そんなエコカーへの近未来の電力供給を占う第8回再生可能エネルギー世界展示会が開催された。

再生エネルギーと聞けばメガソーラーばかりに人気が集まっているように思えるが、風力同様その発電力が天候に左右される太陽光発電は、再生エネルギーの主力とは考えにくい。それに国土、取り分け平野に限りがある日本では陸だけを発電の場にするには限界がある。四方を海に囲まれている日本なのだから、この環境を利用しない手はないだろう。洋上風力発電も注目されているシステムの一つであるが、更に安定した発電を狙うなら海中のエネルギーを電力として取り出す方が良さそうだ。

そう思ったのは、三井造船のブースで面白い発電システムを見つけたからだ。波力発電というもので、その名の通り水面を上下する波のエネルギーで発電するもの。穏やかな上下動でも、フロートの浮力を使えば確実に発電できる上に、夜間や雨天でも稼動するので、太陽光発電の3倍近い設備利用率が狙えると言う。

仕組みは波によって上下するフロートの力を一方方向の回転力に変換し、発電機を回すシンプルなものだ。同様の発電システムはアメリカの電力ベンチャーが実証実験を行っており、実績もあるという。2015年度中には実証実験を開始できる見込みだとか。離島での電力などにも有効な発電システムと言えそうだ。

またIHIのブースには海流発電というものもあった。これは海峡など潮の流れが速いところを領する潮流発電とはやや異なり、勢いは減るが安定した流れである海流でプロペラを回し発電するもの。これから実証実験を目指すものであるが、風力発電のプロペラより小さい直径40mほどのプロペラを備えた発電機を並列させ、お互いを逆回転させることで位置を安定させるそうだ。

そのほか海底と水面の温度差を利用した海洋温度差発電というものもあり、こちらは実証実験が開始されているという。資源としての海洋利用だけでなく、海水のもつエネルギーを直接電力に変える、そんな時代がもうすぐやってくる予感を抱かせてくれる展示内容だった。

《高根英幸》

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