三菱商事とリチウムイオン電池正極材大手の戸田工業が折半出資するMTカーボンは、リチウムイオン電池の主要部材である負極用炭素材料製造ラインを稼働開始し、商業生産に向けた本格的マーケティングを開始すると発表した。
リチウムイオン電池市場は、自動車用途、スマートフォンやタブレット型端末などのモバイル機器、定置用の蓄電など、様々な用途へ広がり始めており、市場拡大が見込まれている。こうした中、負極材市場は、年率平均約10%で拡大している。
炭素原料の安定的なサプライチェーンや、国内外販売ネットワークに強みを持つ三菱商事と、粉体の表面形状や内部構造の最適化を可能にする独自の粉体加工技術を持つ戸田工業は提携し、2011年から共同で負極材を開発してきた。2012年3月にMTカーボンを設立、石油コークスを原料とする人造黒鉛系製品の開発に成功したことから、第1号ラインを設置し、本格参入する。
MTカーボンが開発に成功した製品は、寿命が長く、寒冷地での電池使用に適する低温特性が特徴。
MTカーボンは、本格的なマーケティング活動を展開し、早期に年産2000トン規模の量産体制確立を目指す。