気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2013年7月24日付
●TPP「例外」確認へ、日本来月に基本方針 (読売・1面)
●円安で鋼板値上げ、トヨタ好業績環境整う (読売・8面)
●「回復」設備投資を評価、月例経済報告、海外経済がリスク (朝日・9面)
●リニア都市部地下40メートル走行、JR東海 (東京・3面)
●パナソニック労使賞与2割減で合意(東京・7面)
●トヨタ、新興国で一貫体制、エンジン生産2割増、現地調達増やし競争力 (日経・1面)
●HV開発の提携断念、トヨタと米フォード、IT分野は継続 (日経・11面)
●素早い意思決定助言、トヨタ社外取締役会見、元GM副社長 (日経・13面)
●ソニーが頭部装着型、3D内視鏡用モニター、オリンパス販路活用も (日経・13面)
●一人用移動ロボ、つくば市で実験、トヨタ (日経・13面)
●EV累計販売10万台突破、日産・ルノー (日経・13面)
●アコード受注7000台に、ホンダ(日経・13面)
ひとくちコメント
参院選で自民党が大勝し、日経の世論調査によると、安倍内閣の支持率も63%となお高水準を維持。経済政策の「アベノミクス」についても56%が「評価する」と答えている。
その経済政策のカギを握るのが「デフレからの脱却」だが、産業界からもそれに連動する動きが出始めている。
新日鉄住金とトヨタ自動車が、2013年度上半期(4~9月期)の自動車用鋼板価格を値上げすることで決着したという。23日の日経朝刊が報じたのを受けて、その日の夕刊やきょうの読売、産経なども追随する記事を取り上げている。値上げは2年ぶりで昨年度下半期に比べ、1トン当たり1万円程度の値上げ幅となる模様。
「円安が新日鉄住金にとっては、原料コストの上昇要因になったが、トヨタにとっては好業績の追い風となり、値上げを受け入れやすい環境につながった」(読売)とされる。
ただ、今回の値上げ受入れでトヨタは車1台当たり4000円前後のコスト増になるが「値上げ分を合理化努力などで吸収し、ただちに新車販売価格に反映させることはない」(日経)としている。
その「ただちに」がミソであり、ユーザーにとって価格に転嫁しない姿勢は評価できる半面、合理化努力の中には、労務コストの抑制も含まれる。政府・与党内からの「賃上げ圧力」を牽制することにもなるだけに、内需拡大の足を引っ張ることにもなりかねない。