ドイツのエボニック・インダストリーズが開発した反応性共重合ナイロンパウダー「ベスタメルト」が、メルセデス・ベンツの量産モデル「Aクラス」のクロスカービームに採用された。
アルミニウムに均一に塗布されたベスタメルトは、AクラスのAピラー、ダッシュボード、ステアリングホイールからグローブボックスまでを強固に接合する。
従来の部品は金属に溶接するか、ねじ止めによって固定されており、重量がかさむ課題があった。ベスタメルトによって部品を接合する技術では、溶融接着に基づいた射出成型プロセスによって金属とガラス強化繊維を安定して強力に接合することにより、従来に比べ最大20%の軽量化を実現する。
EUでは2015年までに、すべての自動車の二酸化炭素の排出量を大幅に削減するよう要求されているが、金属をプラスチックに置換することにより、軽量化目標を達成することが可能となる。自動車の軽量化により消費する燃料が減るため、二酸化炭素の排出量が削減される。
日本ではこのベスタメルトをエボニックのグループ会社である、ダイセル・エボニックが輸入販売し、自動車用途のほか、機械製造、建設などの様々な産業分野での展開を視野に入れている。