【宇宙資源展】日本近海の海底は資源の宝庫

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佐渡金山絵図
  • 佐渡金山絵図
  • 日本各地で採取された原油サンプル
  • 海底熱水鉱床から採取された巨大硫化物チムニー
  • 鹿児島県・菱刈鉱山の金鉱石サンプル
  • 世界最大級の輝安鉱

東京文京区・本郷の東京大学総合研究博物館にて、夏休み特別展示『宇宙資源 Pie in the sky』展が7月20日より始まる。足元、日本の資源探査の歴史も見どころだ。

光ディスクの記録材料、半導体やプラスチックの添加剤として工業製品に欠かせないアンチモンを含む輝安鉱は、金属の針を束ねたような姿が美しい。東京大学が収蔵する、世界最大級の輝安鉱結晶(愛媛県市ノ川鉱山産)を展示。

日本の三大金山のひとつ、佐渡金山で金を採掘し、小判を作るところまでの様子が絵巻に詳細に描かれている。上下18メートルずつ、全36メートルにわたる絵巻は、東京大学工学・情報理工学図書館収蔵のもの。

明治~昭和初期に日本各地で採取された原油のサンプル。石油の起源について、海底に堆積した有機物が長い年月を経て形成されたと考える「有機説」が現在のところ一般的だが、地球の内部にもともと含まれていた炭素や水素から作られたとする「無機説」もあるのだという。資源として原油を採掘する前に採取されたサンプルは、石油の起源を考える手掛かりとなる。

日本で取れる資源は実はまだある。1980年代に発見され、現在では日本唯一の金属鉱山ともいえる鹿児島県・菱刈鉱山の金鉱床ボーリングサンプル。鉱石中の金の品位が高く、佐渡金山など過去の金山を越える埋蔵鉱量があると期待されている。また、中国に偏在していた希土類(レアアース)は、日本の排他的経済水域内に海底資源として大量にあることがわかってきた。高濃度でレアアースを含む海底の泥は、見た目は地味でも資源の宝庫だ。

《秋山 文野》

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