マレーシアの世帯負債が増加している問題で、アハマド・フスニ・ハナズラ第2財務相は、不良債権(NPL)率は憂慮すべきレベルではなくコントロール可能な範囲にとどまっているとの見解を示した。
同財務相は、個人レベルで融資申請の審査を厳しくするなどコントロールができれば、返済率も高まると指摘。その上で、政府は世帯負債の軽減を目的とした取り組みを進める方針だ。クレジットカードや個人向けローンの審査基準を厳しくする方針で、中央銀行バンク・ネガラと協議を行っている。
家計負債は国内総生産(GDP)比で83%と高水準にあり、住宅ローンや自動車ローンが多くを占めている。ローンの返済が多額になり、可処分所得が減ることが問題だという。
バンク・ネガラ傘下の信用カウンセリング・債務管理局(AKPK)はクレジットカードやローンの返済に問題を抱えている個人を対象にカウンセリングを提供している。今年5月末までに22万2,942人がAKPKのサービスを利用した。