【日産 ジューク NISMO 試乗】専用仕様で走りも進化…松下宏

試乗記 国産車
ジュークNISMO
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日産のNISMO仕様車というと、『GT-R』や『フェアレディZ』などのスポーツカーが中心だったが、ここにきてライトなチューンでNISMOファンを広げる新しいモデルが作られるようになった。そのひとつがジュークNISMOだ。

外観の変更は控えめながら実質本意。見た目は赤いドアミラーとボディの下の部分に採用されたレッドのラインなどが目立つ程度だが、モータースポーツからのフィードバックを折り込んで空力特性に優れた前後バンパーを採用するなど、意味のある改良が加えられ、ダウンフォースは37パーセントも向上したという。

ほかにもエクステリアのエアロパーツやインテリアのシートなど、内外装に専用の仕様がいろいろと用意されている。

運転席に乗り込むと、スポーツシートのホールド性の良さがすぐに分かる。サイドサポートの盛り上がりは乗降性を悪化させない程度に抑えられているが、シートに収まると体がしっかり固定される。握りの部分にアルカンターラが採用されたステアリングはとても手触りが良い。

ベース車はパワフルなエンジンを搭載する4WDモデルの「16GT-FOUR」で、これがチューニングによって147kW/250Nmへと動力性能が向上している。足回りも専用のサスペンションと18インチタイヤが装着されたので、走りのフィールは大きく変わっている。

硬めの足回りによって走り出した瞬間にジュークNISMOであることが実感できる。路面が悪い部分ではけっこうきついショックがあるので、日常シーンではちょっとつらいなと思わせるが、いかにもスポーツモデルらしい硬さである。速度が上がっていくと硬さよりも安定感の高さが感じられるようになる。

動力性能の向上は実感として感じられないものの、そもそもがやんちゃな感じエンジンを搭載していて、それが専用チューニングによって元気の良さが増している。トルク感の向上による力強さは、市街地などでの走りやすさにつながっている。

トランスミッションは7速マニュアルモード付きのCVTだけの設定。通常の6速から7速に刻みが増やされ、クロスしたギアレシオによってマニュアル車感覚の走りがより楽しいものになる。こうなるとシフトレバーの操作ではなくパドルが欲しくなる。

ジュークNISMOには285万円ほどの価格が設定されている。ベースの16GT-FOURタイプVに対して40万円ほど高い設定だが、ジュークNISMOに施された仕様を考えたら、超割安な価格である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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