JR東海は6月27日、東海道新幹線で使用している検査用の機械「トンネル覆工撮影車」の撮影装置について、約2億円を投じて新しい撮影装置に交換すると発表した。2014年2月に導入する予定。
同社は1週間に1回、新幹線の全てのトンネルを目視で検査しており、さらに2年に1回は至近距離からの目視と打音による検査を実施している。2001年からはトンネル覆工撮影車を導入。2年に1回のペースでトンネル覆工表面の全断面を撮影し、事務所内で画像を調べて異常発生の有無や進み具合を検査している。
新しい撮影装置はカメラの解像度を現在の3000画素から900万画素に引き上げるとともに、撮影時に使用する照明の明るさを2万5000ルクスから3万ルクスに引き上げる。現在の撮影装置は1mm程度のひび割れ幅を確認できるが、新装置は画素数と照度の向上により0.5mm幅のひび割れも鮮明に確認できるようになるという。
また、現在は過去に撮影した画像データとの比較を目視で行っているが、新装置は画面上で撮影画像を重ね合わせ、新たなひび割れの発生や進み具合を一目で確認できるようにする。一度に撮影できる範囲も拡大し、上下線を同時に撮影して検査効率を引き上げる。