東洋紡は、2013年12月末で、タイヤの形状を保持するための補強材として用いられるポリエステル繊維を使ったタイヤコード事業から撤退すると発表した。
同社では、合成繊維事業の主要製品として、日系自動車産業向けにポリエステルタイヤコード事業を展開してきた。しかし、新興国の自動車需要の拡大、2010年後半からの円高などの影響で、主要な納入先である日系タイヤメーカー各社が海外生産を増やしてきた結果、国内のポリエステルタイヤコード市場が縮小。加えて、輸入品の増加で、同社の国内向け販売量が大きく落ち込んでいる。
こうした構造変化は今後も続くと想定され、市場の回復は見込めないことから、事業の継続は困難と判断、タイヤコード事業から撤退する。
今年9月にポリエステルタイヤコードの生産を停止し、12月で販売を終了する。
これに伴って敦賀事業所(福井県敦賀市)のポリエステル原糸用製造設備と加工品(ディップ反)用製造設備を停止する。
ポリエステルタイヤコードの生産設備は、2013年3月期決算(個別、連結)で減損損失16億6400万円を計上した。