躍進の民主行動党に連立政権参加論浮上 与党側の揺さぶりか

5日に行われた総選挙で敗北した華人系の与党政党が入閣を辞退する意向を示している問題に絡み、野党第一党に躍進した民主行動党(DAP)と与党連合・国民戦線(BN)と間で連立論が浮上している。

エマージング・マーケット 東南アジア

5日に行われた総選挙で敗北した華人系の与党政党が入閣を辞退する意向を示している問題に絡み、野党第一党に躍進した民主行動党(DAP)と与党連合・国民戦線(BN)と間で連立論が浮上している。

実現の可能性は低いとみられるが、野党内からはBN側による揺さぶりとの警戒感もでている。

連立案について華字紙各紙は、DAPのリム・キッシャン顧問が9日午後、DAP本部で提案について全く考えていないと述べたが、同日夜に開催された座談会ではBN側が汚職追放などの野党連合・人民同盟(PR)のマニフェストを受け入れることを条件に連立を考慮すると前向きの発言を行なったと報じた。リム氏はさらにBN入りしたとしても、入閣を辞退しているBN構成党・マレーシア華人協会(MCA)にとって代わるつもりはないと述べ、MCAへの配慮もみせたという。一方、DAPのフォン・クイルン財務部長も同日、BNが特定の民族を基盤とするすべての構成党を解党し多民族政党を再編することがBN合流への条件になるとの考えを表明。ナジブ・ラザク首相がBNの獲得議席減少を華人有権者離れのせいにしたのは間違いであり、PRの得票の70%をマレー人有権者が占めたことがその証拠だと指摘したと報じられた。しかしDAPのある幹部は、こうした連立参加に党首脳が前向きの発言をおこなったというのは誤りでBNがPR内の混乱を狙ったものだと主張し、華字紙報道と食い違いをみせている。

伊藤 祐介

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