第13回総選挙の投開票が5日行われ、ナジブ・ラザク首相率いる与党連合・国民戦線(BN)が下院(定数222)で133議席を獲得し、過半数を維持した。
しかし2008年の前回総選挙の140議席を7議席も下回り、目標としていた3分の2議席の獲得はならなかった。
政権奪回を目指したアンワル・イブラヒム元副首相が率いる野党連合・人民同盟(PR)は、都市部で票を伸ばしたが、ブミプトラ(マレー人および先住民族の総称)地盤の地方や遠隔地でBNの組織力に及ばず、独立以来の初の政権交代はならなかった。小選挙区制が組織力・資金力に勝るBNに有利に働いた形。総得票数ではPRがBNを上回っており、BNの得票数が過半数にとどかなかったのは1969年の総選挙以来となる。
野党では民主行動党(DAP)が38議席を獲得、前回の28議席から10議席も伸ばして野党第一党となった。アンワル氏が顧問を務める人民正義党(PKR)が1議席減らして30議席、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が2議席減らして21議席にとどまった。
外国人労働者を使った替え玉投票、「消えないインク」が簡単に落ちてしまうといった選挙違反行為を訴える声が野党側や非政府組織から次々と上がっており、選挙結果に不満をもつこれらのグループが今後大掛かりなデモなど行動に出ることが予想される。