コンプライアンス違反企業の倒産件数141件、税金関連の違反が高水準…2012年度

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東京商工リサーチ「コンプライアンス違反」企業の倒産推移
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東京商工リサーチは、2012年度「コンプライアンス違反」企業の倒産状況をまとめた。「粉飾」後の倒産が減少し、脱税、滞納などの「税金関連」による倒産が増加した。

2012年度(2012年4月~2013年3月)に法令違反や粉飾決算、談合、偽装などのコンプライアンス違反が一因となった企業倒産は141件だった。前年度の170件より29件減少した。年度上半期は、前年同期比の75件から69件に減少、年度下半期は95件から72件へと、減少幅が広がった。これはオリンパス、大王製紙など大手企業の相次ぐ不祥事で、社会的にもコンプライアンスへの意識が浸透したことが背景にある模様。

141件の負債総額は2063億3800万円で前年度比40.8%減と大幅に減少した。このうち、負債10億円以上の大型倒産は29件で、構成比は20.5%だった。

主な倒産事例は、約10年にわたり税務申告書とは別に、取引金融機関別に粉飾した財務諸表を作成提出してきたワシ興産(負債404億円)とBBSホイール製造で有名な関連会社ワシマイヤー(負債200億9700万円)、法人税の脱税容疑で創業者・実質オーナーが逮捕されたソフトウエア興業(負債180億円)など。

コンプライアンス違反倒産141件を産業別でみると、サービス業他が44件で最も多かった。次いで、建設業の25件、卸売業の18件、製造業の15件、情報通信業の11件、小売業の10件と続く。

最も多かったサービス業他では、ホテル、旅館などの宿泊業7件、ソフトウェア業6件、老人福祉・介護事業4件など。宿泊業では、業績低迷が続いたところに、東日本大震災に伴なう消費自粛が加わり、売上不振から税金を滞納するケースがみられた。

老人福祉・介護事業では、経営不振から、介護報酬の不正請求などに手を染めたケースなどがあった。

141件の違反内容別では、脱税や滞納などの「税金関連」が46件で前年度の42件から増加した。不正な会計処理を行い、虚偽の決算報告作成などの「粉飾」は13件で前年度の29件から大幅に減少。このほか、公共事業などの競争入札で事前に業者間で入札価格や落札者などを決める独占禁止法違反の「談合」が5件、詐欺・横領が4件など。

《レスポンス編集部》

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