しなの鉄道、2013年度の経営計画と中期経営計画を策定

鉄道 企業動向
しなの鉄道がJR東日本から購入した115系。169系の置き換えと北しなの線開業を踏まえ、2両編成7本と3両編成5本を追加購入する。
  • しなの鉄道がJR東日本から購入した115系。169系の置き換えと北しなの線開業を踏まえ、2両編成7本と3両編成5本を追加購入する。
  • しなの鉄道は北陸新幹線金沢延伸開業に伴い、長野~妙高高原間のJR信越本線も「北しなの線」として経営を引き継ぐ。11月に鉄道事業許可を申請する予定。
しなの鉄道(長野県上田市)はこのほど、第3次中期経営計画(2013~2017年度)と2013年度の経営計画をまとめた。老朽化した車両の更新や、長野以北のJR線経営引き継ぎに向けた準備を進める。

しなの鉄道は現在、北陸新幹線高崎~長野間(長野新幹線)開業に伴いJR東日本から引き継いだ並行在来線(しなの鉄道線軽井沢~篠ノ井間65.1km)を運営しているが、2015年春には北陸新幹線長野~金沢間が延伸開業することから、これに並行する信越本線長野~妙高高原間37.3kmも「北しなの線」として経営を引き継ぐことになっている。

このため、第3次中期経営計画は2013~2014年度を「1stステージ」、2015~2017年度を「2ndステージ」に分けて実施。1stステージは、北しなの線の開業に向けて「強靱な経営基盤を構築する期間」、2ndステージは北しなの線の「経営を軌道に乗せ、全体としてパワーアップする期間」と位置づけ、施設の更新やサービスの向上などを目指す。

車両については、1997年のしなの鉄道線開業時に中古の115系電車3両編成11本と169系電車3両編成3本をJR東日本から譲り受けたが、169系は老朽化が著しく3月で定期運転を終了している。このため、2013年度は169系の代替車両として115系の2両編成7本を購入する予定。また、北しなの線開業に伴い必要車両数が増加することから、3両編成の115系も5本購入する。ただし、115系自体も老朽化が進んでおり、これに代わる次期主力車両の導入に向けた準備を進める。

このほか、新たに鉄道を利用する顧客の獲得と地域の活性化を目的とした「観光列車」を導入し、2014年度上期の運行開始を目指す。また、ICカード乗車券の導入の検討も進める。

中期経営計画の初年度となる2013年度の経営計画は、「輸送の安全・安定確保」「ビジネスモデルの再構築」「地域と歩む」「顧客満足度の向上」「長野以北の着実な開業準備」「経営体質の刷新」の6項目を重点施策とした。「輸送の安全・安定確保」では、中央自動車道笹子トンネル崩落事故を契機に公共施設の老朽化が問題視されている状況を踏まえ、小諸高架橋や葛尾トンネルなど老朽化した施設の改修工事を実施する。

「ビジネスモデルの再構築」では、観光列車の運行に向けて講演会やプレイベントを実施し、地域における機運や期待感の醸成を図る。「顧客満足度の向上」では、駅のバリアフリー化を推進。小諸駅ホームのかさ上げ工事を実施して車両とホームの段差を解消するほか、坂城駅でエレベーター設置工事を実施する。

北しなの線については、事業収支見積もりや運行計画などを作成し、11月までに鉄道事業許可を申請する。同時に運転士や車掌などの要員確保、保守用車両線の新設や検修線の増設など、経営の引き継ぎに向けた準備を進める。
《草町義和》

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