3月30日、広島から東京(羽田)に向かう1614便をもって、日本航空(JAL)の「マクドネルダグラスMD-90」による運航が終了した。出発地の広島だけではなく、到着地の東京でも最終便乗客を対象としたセレモニーが実施されている。
マクドネルダグラスMD-90は当時の日本エアシステム(JAS)が16機を導入。1996年4月に運航を開始し、同社がJALに経営統合された後も使用を継続。以後17年間に渡って日本の空を飛んできたが、2012年からボーイング737-800型機に代替するかたちで退役が本格化。この3月まで残っていたのは2機で、ラスト5日間は1997年10月に導入された登録番号「JA8029」1機での運用となっていた。
最終運用の当日は東京~熊本~東京~奄美大島~東京~広島~東京の全6便だったが、機内で記念写真を撮ったり、乗員へのサインを求める航空ファンが多く、奄美への出発便から遅れが顕在化。東京から広島へ向かう便は定刻から24分遅れ、折り返し広島からの東京行きは約40分遅れとなり、この遅れを引きずったまま東京に到着している。
東京ではMD-90のパイロット7名と、旧JASの地上職制服を着用したグランドスタッフ3名が最終便の乗客を出迎え、機長と副操縦士のサインが入った写真や、航空機用エンジンオイルの空き缶を再利用して作ったペン立てなどの記念品配布を行った。
最終便に使われた機体はデルタ航空への売却が決定しており、今後は同社のアメリカ国内線で使用される予定だ。