全日本空輸(ANA)は、国内・海外すべての就航拠点のライン整備部門にiPadを配備することを決定した。
整備部門へのiPad導入で、従来は整備作業に携行していた紙製マニュアルが電子化され、最新マニュアルを参照できるとともに、ライン整備士とバックオフィスとの連携を強化することで、機体点検・整備作業の品質向上を図る。
従来、ライン整備士が機体の点検・整備を行う際、バックオフィスの支援を仰ぐ際の連絡・情報伝達手段として無線や携帯電話を活用している。今回新たにiPadを活用することで、これまでの音声に加えて画像情報や作業に必要な文書情報等の送受信が容易に行えるようになり、整備作業の効率化、整備品質の向上が図れるとしている。
全世界のANA就航拠点で、整備士が点検・整備作業に携行している約900冊のマニュアルについて配布・管理を電子化する。これにより、毎月約2万7000ページに及ぶ差換え作業が効率化され、確実にマニュアルの最新性を保つことが可能になる。
同社では4月を目処に、機体の点検・整備業務にiPadの導入を開始する。携行マニュアルについては、従来の紙製マニュアルとiPad上の機体整備・点検携行マニュアルの並行利用期間を設け、一程度の慣熟期間を経た上で、紙製マニュアルを廃止する。
ANAでは「『安全』と『安心』が経営の基盤」としており、今後も積極的に業務プロセス改革、最新技術の導入を進め、グループ一丸となって安全を追求する。