商船三井は、保有している職員候補生(キャデット)の訓練船「スピリット・オブ・MOL」が最終訓練航海を終え退役したと発表した。
同船は2007年に訓練船として運航を開始して以来、これまで2200人以上のキャデットを育成するのに活用してきた。卒業生の国籍はフィリピン、インド、ロシアなど多岐にわたる。台風被害の復旧支援など数々の社会貢献活動にも従事してきた。
3月23日、フィリピン・マニラ港で同社の芦田昭充会長を始め多数の関係者が立ち会って、退役の式典を行った。最終の当直業務の終わりを告げる、8つの鐘の音とともに、マストに掲げられた社旗が降納、芦田会長に返納され、無事に「抜魂」を終えた。
同社は同船で培ってきた訓練のノウハウを引き継いだ新訓練プログラムを開始している。新訓練プログラムでは、実際の運航船に専属のインストラクターがキャデットとともに乗船し、運航実務を生で体験してもらう。少数教育による個別の指導を行いながら、同社の安全運航指針の理解とそれに基づいた行動の習得を目指す。