NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の古川一夫理事長は2月20日、最先端災害対応ロボット技術についての記者会見で、「企業の壁を越えて、災害対応のためにとにかく一つになってやろうよということでやった」と、今回のプロジェクトについて振り返った。
古川理事長によれば、今回のプロジェクトには3つのポイントがあるそうだ。まずは各ロボットの高機能化と高性能化。2つ目はそれらのロボットをシステムとしてまとめること。そして3つ目がその目標に向かって日本の産業界が総力を挙げて1年で実現すること。
なかでも3つ目のことに一番苦労したそうだ。「ロボットの業界はなかなか難しい」と古川理事長が話すように、各社はそれぞれ最先端の開発を行っており、他社に知られたくないことが多いからだ。しかし、今回は災害対応のためということで、各社が協力。わずか1年の間にこれまでにはないロボットをつくってしまったわけだ。古川理事長は各社の協力に感謝しているが、その裏でNEDOが尽力したことは想像に難くない。
「日本のロボット技術は世界最高といわれて久しいが、それはあくまで産業ロボットに関してだ。災害用とか生活支援という面で見ると、まだまだ十分ではないと思う」と古川理事長は語り、こう付け加える。
「私どもはロボットを開発し始めてから30年経つわけですが、どちらかというとNEDOはエネルギー、環境という視点で見られている。これからはロボットのNEDOとも言ってもらえるように頑張っていく」とした。