2月12日にサバ州ラハド・ダトゥの海岸に不法上陸しようとした100人以上のフィリピン人グループは、マレーシア当局からの説得を受け入れてひとまず帰国することに同意した。近く送還されるとみられる。
グループは国際的に承認されていないスールー王国軍の兵士だと名乗っており、王国の承認などを要求するために上陸したと主張していた。グループは一部で拘束されたと報じられていたが、サバ州警察は拘束せずにカンポン・タンドゥオ郊外で包囲するにとどめていることを公表。周辺がマレーシア治安当局による制圧下にあるとし、治安面での危険性はないと強調した。武装グループのリーダーがスルタン末裔のラジャ・ムダ・アジムディー・キラム氏であったこともあり、無用な摩擦を避ける狙いがあったとみられる。
グループと2時間程の交渉に当たったサバ州警察のハムザ・タイブ本部長は、武装グループが特定の人物との面会を要求していたことを公表。サバ州在住のスールー公民を不法移民としてフィリピンに強制送還しないよう求めたことを明らかにした。面会を求めた人物はスールー・スルタン末裔のエスマイル・キラム氏だった。グループはまた、現在サバ州となっている王国の領土の返還を求めているとされる。