2013年1月30日、NASAはソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)によって観測された、コロナ質量放出の様子を収録したビデオを公開した。
科学者達はすでに長い間、太陽の大爆発、コロナ質量放出(CMEs)に、フラックス・ロープというよじれた磁場が関係していることを確認していた。しかし、それがいつどこで形成されるのかはわからなかった。
太陽の磁場は基本的に不可視で、超紫外線によって細いラインとして観測することが可能であるが、地球の大気圏がこの紫外線を透過しない為、科学者達はSDOのような宇宙にある観測衛星を使用して観察するしか方法が無い。
2012年7月19日に太陽の縁でCMEsの爆発が起こり、それが観測し易い部分で起こった為、科学者達はフラックス・ロープが爆発の7時間前に形成されていることを発見できた。フラックス・ロープは科学者達が予見した通り8の字を描いており、SOHO宇宙船がもたらしたイメージもフラックス・ロープの存在を確証した。
研究者達は全く別の角度から太陽を観測するステレオA宇宙船の映像を加えることによって、フラックス・ロープの3次元映像を作ることに成功した。そしてそれらのフラックス・ロープは仮説通りに8の字を描いていたが、同時にそれらの根元部分は、彼等が予見したよりも大きな幅を持っていることがわかった。
科学者達はこのフラックス・ロープの形成されるパターンを解析することにより、コロナ質量放出の予知が可能となり、CMEsがもたらす宇宙技術や地上の配電網に対する脅威からそれらを保護することに役立つ。