【GARMIN Oregon 550TC インプレ後編】単3電池駆動、山地図・道路地図搭載で手軽さに使える

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◆本体価格は高めだが、地図の追加購入必要なし

短い時間だが、可能な範囲で実際に使ってみた。電源を入れ、最初はコールドスタートとなるのでGPSの補足に時間がかかるが、これさえ完了すればすぐに現在位置と周辺の詳細な地図が表示される。当たり前のようだが、実はこれが本機の大きな特徴。ハンディGPSはカーナビなどと違い、地図データは別途用意しなければならない機種が多い。内蔵されている地図は取りあえず使えるといったレベルだからだ。

ところが、本機には単品販売されている地図ソフトが2本もプリインストールされている。1本は昭文社の「山と高原地図」をベースにした「日本登山地図TOPO10M Plus」。「山と高原地図」は日本の登山地図の代表的な存在で、国土地理院の地図を元に登山家が入念に実踏調査したデータを網羅した、非常に評価の高い地図だ。もう1本はGARMINから発売されている日本詳細道路地図「シティナビゲーター」。これは同社製のカーナビ用地図と基本的に同じもので、目的地検索用の膨大な電話番号データなども収録されている。

本機の価格、9万9,750円を高いと思う人も多いだろうが、この2本の地図がプリインストールされていることを考えれば、むしろ割安だ。山岳地図だけでなく道路地図も収録されていることで、カーナビや徒歩ナビとしても使えるなど用途も広くなっている。


◆特別な知識がなくても直感的に操作できる分かりやすいインターフェース

視認性を最優先し、コントラストが極端に高くなっているディスプレイは最初こそ違和感を覚えるが、すぐに慣れる。基本的なインターフェースはスマートフォンに似ており、アイコンが並んでいる画面を横にスライドさせて必要な機能を見つける。アイコンの配置はカスタマイズすることが可能だ。

こうした分かりやすいインターフェースのため、基本的な機能は初めての使用でもほとんど戸惑うことなく使いこなせる。3軸コンパスによる安定した地図表示は非常に気持ちよく、スマートフォンの地図のようになかなか正しい方角を表示してくれなくてイライラすることもない。

地図のスクロールや縮尺の変更も十分に高速で、操作感はなかなか快適。本機は単三乾電池で16時間も駆動できるが、高速さと省エネをうまくバランスさせている。ディスプレイの解像度が低いためスマートフォンの表示と比べてしまうと一度に表示できる情報量に限界があるが、これもバッテリーライフや快適な操作性に対してバランスのとれた解像度だと考えれば納得できる。

地図以外でよく使う機能としては、コンパスやトリップコンピューターがある。どちらも、単純に方角や移動距離だけを表示するのではなく、1画面にいろいろなデータを表示してくれる。特にトリップコンピューターは表示項目が多く、移動距離、平均移動速度、最高速度、高度、日没までの時間などを表示できるので便利だ。この表示項目もカスタマイズ可能で、トリップメーターにコンパスを表示させることもできる。


◆必要最小限の機能ながらカーナビとしても十分に使える

前述のとおり本機にはGARMINのカーナビモデルと同じ地図データ「シティナビゲーター」がプリインストールされている。これによって、カーナビとして使うことも可能だ。機能としては、「nuvi」シリーズと同等の目的地検索ができるものの、ガイド中の交通案内板表示やインターチェンジなどのイラスト表示はない。当然ながら音声ガイドもなく、やはり必要最低限の機能であると言わざるを得ない。ただ、だから使いものにならないかというと、そんなことはなかった。

GARMINはカーナビとしてnuviシリーズを展開しているが、このカーナビはとにかくシンプルであることが特徴。現在でこそ国産メーカー並みに多機能になっているが、ほんの数年前までは単純な地図表示と音声だけでガイドをしていて、その明快さが好評だった。本機のガイドはその頃に戻ったような印象で、非常に分かりやすいのだ。低解像度のディスプレイであっても、シンプルに徹したシティナビゲーターの地図表示なら問題はない。

道路の入り組んだ都心部ではさすがに使いづらい部分もあるが、郊外の道、たとえば高速道路のインターチェンジから登山口までのガイドといった用途であれば、十分に実用になる。それに、本機のナビ機能はアクティビティ変更により、様々な用途に使えるようになっており、この面ではカーナビより優れている。

「直行」は道路上にコースを取ろうとするマップマッチングを無効にして、目的地の方向を表示するのでトレッキングや登山向き。「自転車」や「徒歩」ではマップマッチングが有効になり、「自動車」では一方通行なども考慮したルートになる。アクティビティにはほかにも「ハイキング」、「登山」、「マウンテンバイク」などがあり、様々な用途で最適なルートガイドをするようになっている。



◆画素数を抑えたことがプラスに作用、カメラ機能は意外なほどよく写る

続いて新しく搭載されたカメラ機能をチェック。スペックは前述のとおり3.2Mピクセルで、オートフォーカスと4倍のデジタルズームがある以外は、LEDフラッシュもなし、露出補正もなし、感度設定もなし、動画機能もなしと、無し無しづくしのカメラ機能だ。そのためまったく期待していなかったが、意外にもその性能は悪くなかった。

ここでもスマートフォンとの比較をしてみようと、iPhone 5のカメラと撮り比べをしたのだが、本機のカメラはかなりシャープネスを上げたカリッとした絵作りになっている。画素数はもちろんiPhone 5の方が上だが、同じくらいの大きさでパソコンのディスプレイに表示した印象では、明らかに本機の方がシャープに見える。

露出の傾向や、暗い場所でのノイズの発生はだいたいiPhone 5と同様だった。レンズの焦点距離は発表されていないようだが、実際に撮り比べたところではiPhone 5よりわずかに画角が狭い。しかし、引きが取れない場所でも写る範囲が狭くて困るということはなく、使いやすい焦点距離だといえる。4倍ズームについてはそれなりに画質が低下するが、許容範囲だろう。

ただ、気になったのは色の傾向がかなりはっきりしていて、ほとんどの場合は茶色っぽい色合いになること。こってりと色が乗っていて、それ自体は一概に悪いとも言えない絵作りなのだが、青空がきれいに出ないのはちょっと残念だ。

使ってみるまではメモ撮り向きの性能だろうと思っていたが、これならちょっとした記念写真くらいは撮れそうだと感じる性能だった。ただ、撮影の設定で標準は2.0Mピクセルとなっており、3.2Mピクセルで撮影するには事前に設定を変更しておく必要がある。こういった仕様から考えても、やはりメーカーの想定している使い方はジオタグで位置情報を記録するためのカメラということだろう。
《山田正昭》

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