【新聞ウォッチ】豊田社長のキーワード、昨年は「笑顔」、今年は「原点」

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2013年1月8日付

●新車販売500万台回復、昨年の国内、4年ぶり(読売・2面)

●景況感晴れ模様、経営者、高まる期待(朝日・9面)

●新車販売日中で明暗、大手3社、中国で軒並み不振(朝日・11面)

●トヨタ、新工場建設凍結(毎日・7面)

●アベノミックス経済3団体が期待、経済再生「チャンス逃すな」(産経・3面)

●トヨタ単体5年ぶり黒字へ(産経・11面)

●トップに聞く次世代車戦略,日産ゴーン社長、EVけん引を継続、ホンダ伊東社長、燃料電池車に期待(東京・7面)

●官民基金成長戦略の柱,緊急経済対策、規模20兆円超(日経・1面)

●グローバル企業新たなリスク、トヨタ和解に裏の教訓(日経・2面)

●新車販売先行き厳しく、取得・重量税見通せず(日経・3面)

●「軽」好調,ホンダ2位、日産は5位に後退、昨年新車販売(日経・11面)

●「賢い車」用マイコン開発、衝突回避などルネサス、13年度から(日経・13面)

ひとくちコメント

トヨタ自動車の豊田章男社長が、今年の景気について「曇りのち晴れ」と予報すれば、日産自動車の志賀俊之COOは「今までの超円高が理不尽で、まじめに働いても報われないレベルだった。円安傾向で少なくても報われる希望が出てきた」と語った。

7日は経済3団体や自動車業界団体などの新年祝賀パーティが開かれ、出席者からは久々に明るい見通しを語る企業トップが多い印象を受けた。

きょうの各紙にも「景況感晴れ模様」(朝日)、「政策実現に期待」(読売)、「経済再生、チャンス逃すな」(産経)などと、強い日本を取り戻すための安倍新政権に対する期待が大きいことを取り上げている。

きのうは2012年の新車販売台数も明らかになったが、国内の新車販売台数はエコカー補助金や復興需要に後押しされ、燃費性能が高いハイブリッド車や維持費の安い軽自動車が伸びて、リーマンショックの08年以来4年ぶりに500万台を回復した。

半面、中国はトヨタが前年比4.9%減、日産が5.3%減、ホンダが3.1%減と、そろって減少。中でもトヨタと日産は、中国で本格的に生産・販売を始めた03年以降で初のマイナス。新車販売は日中で明暗が分かれた記事が目立つ。

1年前の年頭では「笑顔」をキーワードとした豊田社長だが、今年は「原点」と書き初めた。13年は「6重苦」の厳しい環境の中でも世界販売台数が過去最高を記録。単独決算でも営業損益で黒字に転換する見通しだ。

だが、「浮き足立つ」と再び足元を救われかねない。75年前の創業の精神に立ち返って、新たなステージに向かうための「強いトヨタ」に再構築するという意気込みを示すメッセージとも受け取れる。

《福田俊之》

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