ロス・ブラウンは、2012年シーズンの真っ最中にエアロ部門の人員を異動させたことが、後半戦スランプの根本的原因になったと分析した。
メルセデスはワールドチャンピオンチームとなったブラウンGPを2009年の後半に買収し、2012年の中国GPでニコ・ロズベルグがコンストラクターとして1955年以来初の優勝を手にした。
シーズン中間点でロズベルグはタイトルランキング6位、ベッテルとのポイント差は34だった。しかし、シーズンエンドまでにロズベルグとベッテルの差は189に開いた。終盤6戦に限れば、ミハエル・シューマッハのブラジル6位が唯一のポイントフィニッシュである。
チーム代表のブラウンが吐露した敗因は、エアロ部門責任者ロイック・ビゴワの退職と、もう一点はコアンダエキゾーストやダブルDRS開発中の風洞テストフォーマットの変更だった。
「エアログループの編成に手を入れることは決まったが、新しいチーフとなるマイク・エリオットはロータスに対する予告期間があり、すぐに合流することが出来なかったのです。結局ロイックの退職後にギャップが生じてしまいました。風洞テストを従来の50%スケールから60%に変更したことも影響しましたが、それ以外にもいろんな事情がありました」
ピレリタイヤ対策のためデータを収集する上で、風洞モデルの60%化は避けられなかったとブラウンは説明する。
「ピレリは、風洞テスト用に50%と60%の2種類の実験用タイヤを供給していたのですが、50%を使用するのは2チームという状況でした。そのため有意なデータを得るためには60%の方が有利と判断したのですが、対応が難しかったことは否めません」