マツダが20日発売した新型『アテンザ』の開発担当主査を務める梶山浩氏は、運転しやすい視界を確保するため、フロントピラーを自動車デザイントレンドには逆行する位置に移動させたと明かす。
梶山氏は同日都内で開いた新型アテンザ発表会で「新型アテンザのエクステリアデザインは2011年東京モーターショーで発表したコンセプトカー『マツダ 雄(TAKERI)』を量産化したもの。アスリートを感じさせる躍動感と、存在感という『魂動』デザインの神髄、そして高い品格を限りなくコンセプトカーに近い状態で量産できた」と強調した。
その一方で「私達はデザイントレンドのみならず、安全に安心して運転頂く環境を両立させることこそが重要だと考えている」とも指摘。
このため「新型アテンザではフロントピラー位置を旧型車と比べドライバー側に100mm移動させた。これは現在の自動車のデザイントレンドには逆行している。しかし、これにより見開き角を大幅に拡大し、安全な運転をサポートするのに十分な視界を確保することができた」と披露。
さらに「事故を起こさない自動運転の実現を目指す自動車メーカーもある中で、マツダは人を理解、信頼、尊重する考え方にこだわって商品の安全性を進化させている。夜間や悪天候など環境が変化しても正しい認知、判断をサポートすることで安全に安心して運転して頂きたいと考えており、その底辺にある部分が安全のベースとなる運転ストレスのない視界視認性などになる」と、あえて逆行したデザインを取り入れた背景を語った。