日野自動車の白井芳夫社長は10月25日の決算発表会見で、今後の経営環境には「3つの逆風がある」と指摘、「アクセルとブレーキを踏み分けながら、慎重な舵取りをしてきたい」と話した。
日野の2013年3月期の第2四半期累計業績は、グローバル販売、連結営業利益ともに過去最高となった。このため、今期を初年度として14年度に750億円の営業利益確保を目指す3か年の中期経営計画も「想定より良いスベリ出し」と評価する。
しかし、白井社長は欧州通貨危機や中国の成長減速など「世界経済の鈍化」をはじめ、「円高の定着」、さらに同社が強い東南アジア市場での「競争激化」を3つの逆風に挙げた。これらに対応するには設備投資を小刻みにするなど「環境変化に柔軟に対応できる」態勢で臨むという。
一方で「新興諸国では、まだまだ進出できていない地域も多い。アフリカを中心に新市場開拓は強化したい」と、アクセルを踏んでいく構えも強調した。