トヨタ『マークX』がマイナーチェンジした。今回はデザインを大きく変えることで、商品鮮度を保つことが大きな目的のひとつとなっている。
この商品鮮度について、トヨタ自動車製品企画本部ZSチーフエンジニアの友原孝之さんは、「2代目マークXがデビューしたとき、競合車は当然相対的に陳腐化します」と述べ、その後、周辺車種がモデルチェンジやマイナーチェンジをすることで、今度はマークXが陳腐化していく方向になるとする。「その危機感から、マイナーチェンジをやるときには、絶対に相対的に(周辺車種に)置いて行かれるということがあってはならないのです。そこが一番想いとしては強かったですね」という。
「通常のマイナーチェンジというのは悪いところを手直ししていくという手段だと思いますが、2代目マークXのスタイリングは好評で、ネガティブな意見はありませんでした。しかし、相対的に陳腐化するというのはすごくまずいと、そこはデザイナーと意見が一致したので、デザイナーとタッグを組んで(デザインを)変えていったのです」と話す。しかし、このデザインは賛否両論になると思っていると友原さん。「そうなることは覚悟していますが、大きいテーマがありそれに向かって今回はトライしました」
そのテーマとは何か。「初代が3眼というのを打ち出し、2代目もそのアイデンティティを引き継ぎつつも、僕らはすごく変えたつもりでした」。しかし、ユーザーからはあまり変わっていないと見られたところもあったという。「3眼をマークXのアイデンティティのひとつと言っていますが、つまりは“目力”だと思っています。今回はその目力を強化すること、そこを一番のテーマにして、デザインを行いました」。ただし、「デザインだけではなくて、ちゃんとそれに機能が伴って、機能とデザインのテーマが凝縮されて、目力を構成することにデザイナーは注力してくれました」と語った。