ヴィッツレース、通勤車両で参戦…モータースポーツの草の根的役割

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ヴィッツレース関東第三戦のようす
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トヨタ『ヴィッツ』によるワンメイクレース「ヴィッツレース」が2000年の開始から今年で13年目のシーズンを迎えた。

2012年シーズンからレース車両は3代目となる新型モデルで争われ、7月15日に開催された関東シリーズの第3戦には、44台のマシンがエントリーした。

ヴィッツカップは、ヴィッツ“RS Racing”レース車両の購入とA級ライセンスがあれば誰でも参加ができるワンメイクレース。「普段は街でも乗れるレース車両」をコンセプトに、車両はナンバー付きで改造範囲を大幅に制限し、参加コストや車両管理を容易にした。モータースポーツの敷居を大きく下げたシリーズとなる。

レース車両の性能面では、改造範囲が限られているのでほぼイコールコンディション、ドライバーの腕前がレースの勝敗を決定する。

15日開催の富士スピードウェイで行なわれた決勝レースでは、どのポジション争いにおいても常にテールトゥノーズの接戦、最後の1周まで気を抜けないレースが繰り広げられた。参加者は、ほとんどがアマチュアレーサーで、会場には家族連れで参加する人や、レース仲間同士による参加のほか、社員教育の一環として参加するネッツ販売店の姿も見られた。

このレースでは女性ドライバーの姿も珍しくない、千葉県山武郡から参加した小学校の先生、仲村理香さんもその一人。「予選のタイムがよくて、決勝レースの成績も最高です」と嬉しそうに当日のレース結果について話す、「知らない人から見ると走り屋さんと間違えられちゃうのでステッカーなんかは隠して、学校にもこの車で通ってます」と、普段の通勤にもレース車両を使っているという。

レースを始めたきっかけについて聞いてみると「ヴィッツに乗る前は70型の『スープラ』にずっと乗っていて、お遊びでサーキットの走行会にも参加していたのですが、周りからは止まっているように見えるようで“走るパイロン”と呼ばれていました。そこで、車を買い替える時にヴィッツレースがあるということを聞いていたので、ヴィッツなら買えるかな、と思って始めてみました」と語った。

このヴィッツレースの魅力について、仲村さんは「お金がある人が勝てるというのではなく、腕がある人が勝てる、お金がなくても夢を追える部分だと思います。私の場合、お世話になっているチームの中でいろいろと助けてくれるという部分もあって、レースを続けています」と話した。

何回も出場することで知り合いが増えていくのもこのレースの魅力であるようだ。「いろいろな人と出会えて、レースが楽しめるというところですね」と話すのは下村一晃さん、“今年から新型車のレースで、今なら参加台数が少ないから決勝レースにでれるよ”と友達から誘われての参加という。「今回で5回目のレースですが、他のクルマにぶつかっちゃいけないと思ってブレーキを踏んでいると、どんどん置いていかれてしまうのです」と、レースの難しさを語ってくれた。

トップグループの熾烈な争いから、自身のポジションアップを目指しての参加まで、参加者それぞれのスタンスでこのレースを楽しんでいるのが印象的。一時期に比べて元気を失っているモータスポーツの分野において、「ヴィッツレース」の草の根的モータースポーツ活動は貴重な存在と言えるだろう。

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