いすゞ自動車は5月1日、ゼネラルモーターズ(GM)との提携が報じられたことについて「協業の可能性についてはGMに限らず広く検討している」と述べ、提携について話し合っていることを事実上認めた。
GMは、リーマンショック後の世界経済の低迷で業績が急激に悪化したことから、35年にわたって資本提携してきたいすゞの株式を三菱商事、伊藤忠に売却して提携を解消した。
GMは2009年に経営破たんしたが、その後のリストラや米国、中国での販売の伸びに支えられ業績が急回復し、今年2月にはPSAプジョー・シトロエングループと資本提携した。GMは新興市場で成長が見込まれる商用車などの技術を確保するため、いすゞと再び提携を模索している模様だ。
一方のいすゞはGMとの提携解消後、トヨタ自動車と資本提携したが、トヨタがグループに同じ商用車メーカーの日野自動車を抱えていることもあって目に見えるシナジー効果は見当たらず、その後に表面化したフォルクスワーゲンとの提携交渉も停滞気味だ。
いすゞは、GMとの提携交渉を認めながら「会社として決まったものは何もありません」とコメントしている。