富士重工業とトヨタ自動車との共同開発車スバル『BRZ』とトヨタ『86』のラインオフ式が16日、富士重工の群馬製作所本工場で行われた。冒頭、挨拶にたった同社の吉永泰之社長は「今回のプロジェクトは企業戦略において特別な意味がある」と強調した。
両車種を生産する群馬製作所本工場は、1958年に軽自動車を生産する工場として立ち上がり、累計約800万台もの軽自動車を生産してきた。入口の横には、同年に発売されたスバル『360』が飾られている。
それから54年、自動車業界を取り巻く環境が大きく変化、富士重工としてもグローバルに存在感を示し続けるためには「選択と集中」を進めるざるを得なくなった。そこで、2008年以降、軽自動車の販売をOEM調達に切り替え、事業の中心を登録車にシフトするという経営判断を行った。そして今年2月、軽自動車の生産から完全に撤退した。
「この工場を軽自動車から登録車生産へリニューアルしたのもその一環であり、(共同開発車)の生産開始は、弊社の『選択と集中』がまた一歩進んだことを意味する。本日の生産開始は一つの大きなステップだが、決してゴールではない」と吉永社長は力強く話していた。